2024年05月13日
潤滑油管理において、廃油の処理業務も頭を抱える問題の一つではないでしょうか。物価上昇に伴うコスト増加はもちろんのこと、特に近年、環境保全に対する意識が高まっています。その結果、ものづくりの現場においても環境面への配慮が以前にも増して求められるようになり、企業の社会的責任(CSR)の一環としても、その重要性が注目されています。
環境に配慮したものづくりとは、製品の製造プロセス全体において環境への負荷を最小限に抑えることを目指した取り組みを指します。これには、使用する材料の選定、エネルギー効率の向上、廃棄物の削減、リサイクルの促進などが含まれます。
潤滑油管理においても、「省エネ効果の高い油を選択する」「廃油を出さない運用をする」といった取り組みを行なうことで、環境に配慮したものづくりを実践することができます。
今回のコラムは、この中でも「廃油を出さない運用」に焦点をあててお送りします。
廃油を出さない運用で環境負荷を抑制
工場から出る廃油は燃料ボイラーとしてリサイクルされるケースが多いです。油を燃やすということはCO2をはじめとする温室効果ガスの排出が避けられず、本当の意味で環境への負荷を抑える取り組みにはつながっていません。
このため、「廃油を出さない」ということこそ非常に重要なアプローチになると思います。 この「廃油を出さない」ための鍵となるのが浄油の技術です。
浄油技術で廃油の発生抑制と再利用を実現
前回のコラムでもお伝えしましたが、油に既に混入している汚染物質や水分を除去するには浄油機の設置が効果的です。高性能な浄油機で油を浄化することで、常にキレイな状態に維持しますので、更油の頻度を減らし、廃油の発生を抑えることができます。 また、浄油機は例えば油水分離機で回収した廃油を再利用したいという場面などでも活躍し、これまで廃棄していた油の再生も実現可能です。
回収油の再生事例
お客様から、ブリケットマシンで回収した切削加工油を浄化し再利用したいというご要望を受け、ミクロンレベルの固形分を取り除き高い清浄度にすることが可能な「CJCフィルタ」を設置しました。
汚染度とNAS等級の分析データから、回収油をCJCフィルタでろ過することによって清浄度が改善ができ、再生油として再利用が実現しました。
廃油の再利用によって、環境に配慮したものづくりへの貢献はもちろん、油の単価上昇や廃油処理コスト高騰によるコスト面の課題解決にも貢献することができました。
まとめ
私たちの生活は、石油という貴重な資源に大きく依存しています。製造現場においても油は欠かすことができず、石油は現代社会を支える基盤となっています。しかし、この重要な資源には限りがあり、何も対策を施さなければいずれ枯渇してしまいます。その時、私たちの生活、経済、そして地球環境は難局に直面することになるでしょう。
油を効率的かつ持続可能な形で利用することは、環境に配慮したものづくりの観点で大切なプロセスです。このような取り組みを行なうことで、限りある資源である油を有効活用し、企業活動が環境に与える影響を最小限に抑えることができます。
昨今、企業活動における環境保全への取り組みは、法的要件の遵守だけでなく、企業のブランド価値や市場競争力を高め経済的な利益にもつながるなど、企業の競争力強化の基盤となっており、環境に配慮したものづくりは不可欠な戦略と言えるでしょう。
アメロイドは、フィルタや遠心分離機、油水分離機など高性能な浄油機を幅広くラインナップしており、廃油再生の実績も豊富です。液体浄化装置を通じてお客様の環境に配慮したものづくりをサポートしますので、是非お気軽にご相談ください。
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