2022年11月22日
目次
◎排水処理装置の基本を知ろう
◆「排水処理装置」とは?
◆排水油が排水処理設備のトラブルを招く
◎排水処理装置の仕組みとは?
◆減圧蒸留装置(エバポレータ)
◆脱水乾燥装置(ドライセパレータ)
◆遠心分離式
◆分離槽式
◎排水処理装置の特長
◆自動蒸留濃縮装置(減圧蒸留方式) エバポレータ EVP型
◆全自動スラリー回収脱水装置 ドライセパレータ GR40型
◆遠心脱油機 UB型
◎まとめ
排水の汚れを除去し、分離した汚泥や油などは有価物や助燃剤として回収可能な排水処理装置とは、どのような機能を持っているのでしょうか。その仕組みや特長、用途など、排水処理装置の基礎をご紹介していきましょう。
排水処理装置の基本を知ろう
まずは汚れた水をキレイにしてくれる排水処理装置とはどのようなものなのかを見ていきましょう。
「排水処理装置」とは?
排水処理装置とは、工業や農業などの産業によって出てくる排水や人々が生活する上で出てくる排水の汚れを除去する装置のことをいいます。
排水処理は、環境汚染を防止したり悪臭などの公害を防止したりするためには欠かせません。また、水を効率的に利用するためにも必要です。
排水には、重金属や有機物、窒素、リン除去など、さまざまな不純物が混ざっています。この不純物の中には有害物質もあります。そこで排水中の不純物を取り除き、河川や海などに流せるレベルまで水をキレイにしていくことが、排水処理装置の役割となっています。
排水油が排水処理設備のトラブルを招く
食品加工場や飲食店をはじめ、一般家庭でも多くの動植物性油を使用しており、その油分を含む排水を流しています。その油含有排水を毎日流し続けると排水処理設備の機能が低下するほか、最悪、下水道管が詰まるといったトラブルを生じることになります。
具体的に言いますと、油含有排水が排水処理施設に流れ込むとスクリーン設備の閉塞リスクが高まるようになるわけです。また、フロートスイッチの誤作動がしやすくなるほか、油含有排水が一次受槽にたまり油が固まってしまうことになります。
排水処理設備では、排水が流されたらいったん一次受槽で受け、上部で油を受け止め、下部の排水を流す設計となっています。そこで、上部に溜まってしまった油を放っておくと油が固まり次の排水処理工程へと進めなくなります。そこで溜まっている油を取り除くためには、人力で油をすくわざるを得なくなります。
また、油含有排水が曝気(ばっき)槽(排水中に圧搾空気を送り込む水槽)に混ざってしまうと、曝気槽内の微生物の活性度合いが弱まってきます。曝気槽の中の微生物は空気によって活性化し、その微生物が排水中の固形物を食べて水を浄化する仕組みとなっています。しかし曝気槽に油が混ざり込んでしまうことで微生物の活性度合いが弱まってしまうのです。
排水処理装置の仕組みとは?
アメロイドでは用途に合わせて、「減圧蒸留装置(エバポレータ)」「脱水乾燥装置(ドライセパレータ)」「遠心分離式」「分離槽式」という4つの排水処理装置を用意しています。以下でそれぞれの装置の仕組みを説明していきます。
減圧蒸留装置(エバポレータ)
エバポレータとは、減圧することによって固体または液体を蒸発させていく機能をもつ装置のことを言います。
水を蒸発させて水蒸気にし、それを冷やして水に戻していく方法は蒸留と呼びますが、固形物や油などの不純物が含まれている排水も蒸留することで水蒸気には不純物が含まれなくなります。その水蒸気を冷やして水に戻したときには、きれいな水になるわけです。
常圧であれば水は100℃で沸騰しますが、減圧していくと100℃よりも低い温度で沸騰しますので、少ないエネルギーで水を蒸発できるようになります。
脱水乾燥装置(ドライセパレータ)
遠心分離機能とドラム乾燥機能を融合させた排水処理装置のことをドライセパレータと呼びます。
排水中の汚泥を遠心分離機能で分離した後、ドラム乾燥機能で乾燥させることでその汚泥を粉状にすることができます。粉の含水率は0%~40%と極めて低くなるため、有価物や助燃剤として有価回収されることもあります。
遠心分離式
高速で回転して遠心力を発生させ、個体と液体、液体と液体を分離させる遠心分離機能を利用したものを遠心分離式と呼んでいます。排水中の汚れを自然に分離させるのが難しい場合や、短時間で分離させたい場合に利用される機能です。
分離槽式
排水に含まれる油分と水分を分離する用途で使用される機能が分離槽式です。
槽で排水を受けた後、油分を上部に溜めておき、下部に溜まった水を排出する仕組みになっています。大量の水を処理する場合には、この分離槽式の油水分離機を使用して排水処理することが適しています。
排水処理装置の特長
以下、アメロイドで取り扱っている排水処理装置3製品の特長を説明します。
自動蒸留濃縮装置(減圧蒸留方式) エバポレータ EVP型
廃水(廃液)中の水分を蒸発させ、廃水を濃縮・減容化する装置が「自動蒸留濃縮装置(減圧蒸留方式) エバポレータ EVP型」です。
廃水(廃液)を1/20程に減容化し処理費用を削減できるほか、ヒートポンプを搭載しているのでスチームなどの熱源は不要となっています。
蒸発した水分は蒸留水として回収され、水質によって再利用または河川放流が可能となっており、濃縮液からは有価物を回収することもできます。
全自動スラリー回収脱水装置 ドライセパレータ GR40型
遠心分離機とドラム乾燥機を組み合わせた廃水処理装置が、「全自動スラリー回収脱水装置 ドライセパレータ GR40型」です。ドロドロとした粘り気のあるスラリー(汚泥などが混ざっている液体状の混合物)を遠心分離機能で分離し、ドラム乾燥機能でパウダー(粉末)状にすることで廃棄物の容量を減らすことができます。
遠心脱油機 UB型
各種水性液中の油水と異物やゴミを同時に除去するのが「遠心脱油機 UB型」です。
この油水分離機に油と異物やゴミが混入した水性液を入れると油水分離して油を連続排出し、同時に異物やゴミを固形化し回転体内に捕捉して清浄液を排出します。
全自動型ですので、起動スイッチを押すだけで清浄運転ができ手がかからないほか、遠心力を利用して混合物を振り分けるので、フィルターのような消耗品も必要ないところが特長です。
「遠心脱油機 UB型」を導入することで、排水処理設備の負荷を低減することができます。
まとめ
産業や人々の営みにより排出された汚水は、環境汚染や公害、水の効率的な利用の観点から排水処理装置で水を浄化することが必要です。
排水処理装置で分離された水は水質によっては再利用または河川放流ができますし、汚泥や排水の濃縮液は有価物や助燃剤として有価回収することも可能となっています。
アメロイドでは、用途に合わせたさまざまな仕組みを持つ排水処理装置をご用意しています。
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